
| 民俗担当の学芸員は山崎進です。様々なことを調査研究していますが、おもに雪形(ゆきがた)を調べています。 春になると山々に雪が残るが、農家の人達はその残雪模様をいろいろな形に見立てて農作業の目安にしてきました。そのような残雪模様を雪形と言います。農家だけではなく、漁師も雪形を漁期の目安にしてきました。雪形には残雪が形を作るポジ型と雪に囲まれた地肌が形を作るネガ型とがあります。雪形は北海道から中国・四国までの広い範囲で伝承されてきましたが、雪の多い東北、北陸、中部地方に多くの雪形が見られます。なかでも新潟県や長野県には実にたくさんの雪形があります。これまで公表されていなかった雪形が新潟県には数多くあるので、それらを現在調査中です。 |
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新潟県内の雪形
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| ・守門岳(1537m):牛、種まき爺さん ・守門岳:代かき馬、種まきじさ 栃尾市吹谷ではタネマキジイサン(種蒔き爺さん)とウシが見える。畑に種を蒔く目印に利用されていた。ウシの雪形は吹谷から少し南の半蔵金では形が変わり、シロカキウマ(代かき馬)と呼ばれる。 |
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| ・粟ヶ岳(1293m):粟まき婆など 加茂市宮寄上から見える粟ヶ岳西面にポジ型とネガ型の入り組んだ雪形が現われる。ポジ型のマメマキドリ(豆まき鳥)、ウシガタ(牛形)、ノテワラ(藁を束ねたもの)、ネガ型のカゴガタ(篭形)、アワマキババ・アワマキバサ(粟蒔き婆)が組み合わされて現われる。これらの右側にエンブリ(杁)が出る。杁は田植え前に土を押してならすT字状の農具である。エンブリはサカズキという雪形に変化する。盃台に盃が載っている形だという。 |
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| ・米山(993m):鯉形、スジマキ爺さん 米山北面にコイ・コイガタ(鯉形)や人物像の雪形が現われる。コイは田植えの目安にしていた。人物像は鯉形の左に1つ、右に2つ出る。これらはスジマキジイサン、スジマキオトコ、タネマキジイサン、ゴンベノタネマキなどと呼ばれている。コイのすぐ右に出るスジマキジイサンは柏崎市宝町では笠を被り、籠を持ち、両腕を広げて立っている格好に見える。柏崎市原町ではこの雪形はゴンベノタネマキと呼ばれ、スジマキの目安にしていた。この雪形の右の尾根に出る人物像の雪形は柏崎市春日ではスジマキジイサンと呼んでいる。左を向いて腰を曲げている格好である。 |
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| ・妙高山(2454m)と神奈山(1909m):山の字,一本杉,馬形 神奈山の東面に馬の首の形をしたマガタ・ウマガタ(馬形)が出る。マガタは中頚城郡妙高村ではよく知られている雪形である。その下に牛が跳ねている格好のウシガタも出る。左が頭である。長野県境に近い新井市長沢ではマガタの左側の沢に残る雪をイッポンスギ(一本杉)と呼んでいる。 妙高山の頂上近くに漢字の「山」の形をした雪形が現われる。この雪形は古くから知られ、享和3年(1803)刊行の『二十四輩順拝図会』に紹介されている。 |
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| ・神奈山:はね馬 神奈山を北の方から見ると妙高山と重なって見えるため、上越市などでは神奈山と妙高山とを区別せず、一緒にして妙高山と呼んでいる。上越市周辺では妙高山のハネウマ(跳ね馬)が広く知られているが、実際は神奈山の北面に現われる雪形である。この左下に牛が寝ている形のウシガタ(牛形)が出ると中頚城郡中郷村岡沢では言っている。 |
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